上野から目白へ

「さて、今日は上野へ」
「何用ですか」
「色々私的なものなので……写真はまず東京芸術大学
「大家さんと何か関係が」
「左は美術学校
「右側は」
音楽学校の庭にあるベートーヴェンじゃ」

下はお寺ですか」
「これが上野の寛永寺。左側が本堂。この右側に鐘楼があるが、これが芭蕉の句『花の雲鐘は上野か浅草か』という句に詠まれたもののはずじゃ」
「へえ」
「『花の雲』というのは、上野の桜が、遠くから見ると雲のように見えるということ。夕方、暮れ六つの鐘が鳴るが、あれは上野寛永寺だろうか、それとも浅草浅草寺だろうか……そんな程度の意味じゃ」
「面白いんですか」
「世捨て人である芭蕉が、今頃人々は花見を楽しんでいるのだろうと、想像しているのじゃろうな」
「ふうん」
「因みに、芭蕉の頃は浅草寺では時の鐘を突いていないから、間違いなくここの鐘だったはずじゃ」
「右は」

綱吉の霊廟
「大家さんの趣味ですか」
「わしは一度も見ていないが、篤姫というドラマをやっていたが、そのお墓もあるのじゃ」
「そうですか」
「以上、上野周辺の散策でございます」
「大家さん、タイトルには目白って出ていますよ」
「あ、そうか……忘れちゃった」
「しょうがないね」
「目白から高田馬場まで歩くと、こんな彫刻が……写真左」
「野球応援ですね」

「右は切手博物館。ここは入場料が200円じゃが、使えない切手で支払いが出来る」
「へえ」
「まあ色々面白い所があるな。いずれ、山手線一周を歩いて見物する案内書でも作ろう」
「はいはい……期待しないで待ってます」
「ということで、本日はこれぎり」

 

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