10月26日 芸協らくごまつり

「落語芸術協会のフェスティバル『芸協らくごまつり』が行われた」
「大家さんは初めての参加ですね」
「そう。落語協会の『円朝祭り』は夏なので休暇が取れる。それに対し、こちらは、岡山にいる間は帰ることも出来なかったし、昨年はせっかく関東に戻ったのに、ちょうど仕事と重なってしまった」
「岡山なら、新宿から夜行バスがあるから、大丈夫じゃないですか」
「とんでもない。バスで帰って、そのまま出勤なんて……いい加減な仕事が出来るか」
「……大家さんの言葉じゃないね……ともかくやっと参加出来た訳ですね」
「そういうことで。さて、本来は全部の方に『師匠』とか『ちゃん』とか、敬称を付けるのが礼儀じゃが、煩雑になるので失礼」
「大家さんの失礼は皆さんご存知ですから」
「人を内閣総理大臣みたいに言わないでくれ」
「誰がですか」
「まずは、ステージの様子をご紹介。まずはオープニング・セレモニーじゃ」
「参りましょう」
「司会は新山ひでや・やすこ、写真右上……わしの学生時代はひでや・えつやだった。それが夫婦漫才になって、最初はあまり上手でないやすこさんが、かえって面白かった」
「思い出に浸っている場合じゃないですよ」
「そうじゃ。まず幹部の挨拶。今日は会長の桂歌丸師匠、他に名誉顧問の米丸師匠、今日の催し物の実行委員長である歌助師匠が挨拶。最後の写真は幹事の記念撮影じゃ」

「ステージでは引き続き『にゅーおいらんず』の演奏。小遊三師匠率いるジャズバンドじゃ」
「これもお馴染みですね」
「毎年8月に、浅草演芸ホールで演奏会……って、実は普通の席。仲入り前にトリが出てしまい、その後は彼らの演奏になる」
「来年は、皆様もぜひ」
「一昨年、芸協75周年の折、浅草ジンタを中心とするCDも出ている。歌丸会長、小遊三副会長の歌声も聞こえるぞ」
「貴重ですね」
「この日、CDに会長・副会長のサインを入れてもらった」
「図々しさ発揮ですね」
「この後、住吉踊りアロハ・マンダラーズの演奏」
「これも落語家さんのバンドですか」
「女性は講談と漫談。これも『ホレホレ節』のCDが出ている……持ってくるの忘れちゃったので、サインはなし」
「しょうがないですね」

「昼ごろから、東京太・ゆめ子の司会で、紅白歌合戦
「いかがでしたか」
「発表されていたものと順番がかなり変わっていたが、桂幸丸
「写真右ですね」
「続いて三遊亭遊史郎檜山うめ吉春風亭小柳枝新山絵理真理……」
「え、絵理真理ですか」
「そう。20年前に絵理真理を見捨てて結婚し、捨てられた真理は現在一人で漫談をやっている」
「今日は復帰したんですか」
「一日だけ、二度のステージが行われた。幻のデビュー作となった曲を披露したのじゃ」
「はい、以上の写真をどうぞ……」

「宝くじ抽選会をはさんで、再び歌合戦。鶴光師匠、圓輔師匠……」
小柳枝師匠から後はオリジナルの曲ですね」
江戸家まねき猫がイルカの格好で歌ったのもおかしかった。それから司会の東京太が、やはり昔出した曲を歌った。これは漫才ファンにはお馴染み『かあちゃん、帰ろうよ』という」
「私は知りません」
「漫才ファンなら分かるじゃろう。ともかく、写真では最後の二人だけをご紹介」
「全員出さないんですか」

「そして、大トリ登場」
「誰です」
「芸能生活85年、12月からの特別興行もあるぞ。玉川スミ師匠じゃ」
「すごい」
「堂々と立って歌う……階段では足元が危ないから、若い者が手を貸しているが、大したものじゃ。独演会では数十キロの扇を担いで踊る『松尽くし』をやるのじゃから」
「頭が下がります」
「腰が悪くなったので、今は30キロのものにしているそうじゃ。少し前までは90キロを支えて踊ったとか」
「すごいですねえ」
「その後はイリュージョン。マジックの人々が色々出たが、ここではやはりプチ(ハートマーク)レディを紹介しよう」
「大家さんの趣味で」
「そうそう……いや、そういうことではないが……山上兄弟の妹分じゃ」
「へ……こちらの方が年上に見えます」
「そうじゃ、芸人の上下関係は人気と実力で決まる」
「ひどいね」
「それから新人がネタを紹介するコーナー。一矢ぴろきなど、変わったところが登場」
「はい、写真は下に」
「続いて落語クイズ江戸検定。司会の米福が舟を漕いで見せているところ」
「扇子の使い方を説明しているんですね」
「それからおまけの写真は、このステージを見ているお客さん」
「あれ、どうしてこんな写真が」
「これもネタのうちじゃ。江戸検定も行われた。わしも参加して一位、各寄席の招待券、笑点おこしなどをいただいてきた」
「良かったですね」
「荷物が多くて大変じゃった」
「はいはい」

「さて、舞台ではヤッシャ(写真右)をやって、後は閉会式」
「とりあえず多急ぎで一日が終わりました」
「はい、とにかく、一日充実したお祭りでございました」
「次のページでは屋台をご紹介いたしましょう」
「はい、どうぞ」

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