10月12日 パリ・ドアノ展

「さて、今日は美術館廻り。まずは日本橋三越本店で行われている『パリ・ドアノー』」
「これはどういう展覧会ですか」
「フランスの写真家、ロベール・ドアノーの作品展。タイトルはフランス語らしい駄洒落になっている訳じゃ」
「右の写真は有名ですね」
「『パリ市庁舎前のキス』という1950年の作品。この他、あら、どっかで見たなという作品も多い」
「有名な写真家なんですね」
ゆがんだエッフェル塔の写真は昔絵はがきをいただいたのが、この人の作品とは知らなかった……そのはがき、どこかにあるはすなのじゃが……」
「はい、いい加減な大家さんです」
「とにかく、フランスの有名な場所もひと味違う演出で見せる。例えばエッフェル塔の前で記念撮影する写真と、三々五々人々がバラバラになっている写真が1セットになっている」
「組写真になっているんですね」
「そういう発想が素晴らしい。それから名所などだけでなく、パリに生きる人々、動物、飼われている犬や野生の鳥、それから車……」
「色々あるんですねえ」
モナリザもある。それがモナリザはどこにも写っておらず、それを見ている人の表情を何枚も集めたもの……町の美術館で、女性のお尻の絵があり、そのウィンドをのぞき込む人達。こちらはお尻をいやらしい目で見ているような……そんなはずはないのじゃが、カメラの位置の面白さじゃ」
「色々な写真があるんですねえ」
「さすがはプロじゃな」
「はい。ひと味違う写真を撮っているのがプロなんですね」
「もう一枚、有名な写真を左にご紹介して、次へ行こう」

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