10月4日 浅草演芸ホール 夜席

「さて、今日は春風亭柳橋師匠の襲名披露のため浅草へ」
「はい」
「引き続き夜席へ」
「料金も払わずに……」
「もちりん」
「それで、前座は」
桂宮治の『初天神』、まあ、まだまだこれから」
「プログラムに載っている最初は笑福亭里光
「『時うどん』じゃ。東京落語の『時そば』と全く同じ演出で演る人もあるが、完全な上方型。わしが東京贔屓になるのは仕方がないが、この噺は上方の方が説得力を感じる。もちろん、里光君の演じ方もなかなかだった」
翁家喜楽ですが、昼席に出ていますね」
「入れ替わりで新山真理漫談。楽屋の介護話」
桂歌蔵
「『寄合酒』、肴を用意しようという経緯が省略され、何となく物足りなさが残った一席」
桂歌助
「『やかん』、家の道具から入ってテンポ良く進んだ」
ぴろき
ギタレレ漫談、新ネタが続々、バレバレのものもあるが、そこは愛嬌、そのままバレることがネタになっているのが面白い」
神田陽子
「ヨハン・シュトラウスのオペレッタ『こうもり』を講談にしたものだが、まだ全くこなれていない。粗筋説明だけで面白くなかったな」
「これからという作品なんですね」
「そうじゃろう。夜席は色々実験の場でもあるのじゃ」
三笑亭笑遊
「脱線に脱線を重ねて、マクラが終わらない……まあ、そこも味なのじゃが……結局『無精床』に落ち着いたが、やはり途中まで」
Wモアモアですが、これも昼に出ていましたね」
「代演はコントD51。例によってお婆さんコントなのじゃが、ゴミ問題をテーマにした作品の初演ということで……」
「こなれていない」
「そう……余計な脱線もあって、時間切り」
「あらら……さて、仲トリは三遊亭遊三
「これまた代演で三遊亭栄馬。『替り目』をたっぷり。いいな。わしは疲れたので、後半はお休み。明日も寄席に行かなければならないので……」
「大変ですねえ」
夢丸師匠が心残りじゃが、来週の独演会までおあずけ」
「はい、またそれをお楽しみに」

表紙へ戻る   昼席・柳橋襲名披露へ戻る

inserted by FC2 system