10月2日 京都を行く:その2

「そういう訳で、二条城へ到着しました」
「写真は下ですね」
「左は正面の図。右は有名なウグイス張りの廊下」
「ああ、歩くとギシギシと音がするんですね」

「さて、ここも真面目に見物していると丸1時間かかるな」
「大変ですね」
「ここから北へ1.7キロ。晴明神社でございます」
「これは陰陽師(おんみょうじ)の安倍晴明(あべのせいめい)ですか」
「そう。国語の授業では『大鏡』の中にある『花山天皇の出家』という場面がある。藤原氏の陰謀で出家するのじゃが、御所から晴明の家の前を通り掛かるのじゃ。この時に晴明の占いで天皇の出家を予言するが、すぐ宮中に知らせるように命じ、式神が門を開くと、天皇のお車がそこをお通りになった」
「間に合わなかったんですか」
「そうじゃ。教科書では、宮中を出発する場面と、花山寺に着いてからの場面で、間にある晴明の逸話は、1つの教科書を除いてカットされている」
「残念ですね」
「写真左は本殿。これで本日の予定は終了」
「京都駅まで戻るんですか」
「歩くと5.7キロ。もう疲れたからバスか地下鉄を使わないと……」
「はい。最後に交通機関を利用して、6時間のコースでした」
「かなりマニアックですね」
「実は市立博物館の部分は1時間1本くらいの快速バスしか通らない」
「へえ」
「バスは1回220円じゃが、1日周遊券で500円」
「3回乗ればいいんですね」
「本日のコースでは、駅から四条烏丸まで、そこから博物館などは仕方ないので、二条城から晴明神社、そこから駅までと3回使える」
「はい、ご苦労様でした」
「帰ってから、舞妓さんを呼んで、踊りを披露させ……」
「あら。本当に盛り沢山の予定ですね」
「まあ、格式とか何とか……経験としては貴重じゃが、次回も呼ぼうとは思わない」
はい、本日はこれまで」

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