カンタベリーへの旅:その3

「さあ、今回は、昨日付けで紹介した、カンタベリー大聖堂をご紹介」
「はい、参りましょう」
「まずは右の写真。入口じゃ。中央の像は、20世紀になってから造られたもの」
「新しいんですね……あれ、木戸は閉まっているんですか」
「いや、わしが来るという連絡が入り、日本から世界を代表する大芸術家が来るというので、急遽立ち入り制限を始めたのじゃ」
「日本から……分かっているような気はしますが……誰です」
「わしじゃ」
「やっぱり……本当は、大家さんを入れないために木戸を閉めたんでしょう」
「写真を見ると、そう見えなくもないな」
「内容的にも外れていないしね」
「下左の写真はこの門から入り、大聖堂前に来たところ」
「建物が壮大ですね」
「1503年の建築。とにかく歴史的なもので、修復と保存に1日あたり180万ポンド……4億円掛かるといわれている」
「気が遠くなりそう」

「さて、ここの見所は3つ」
「はい、一つ目は」
「写真右の彫刻。天井の幾何学模様はまさに芸術」
「すごいですね」
「日本の仏教建築も素晴らしいが、この幾何学は……そこここでデザインの違いもあるし、もちろん違う教会に行けば違うデザインになる」
「へえ」
「そういうことで、まずこの彫刻は見逃してほしくないな」
「そうですね」
「続いて、下に2枚の写真を紹介しよう」

「はい、二つ目の見所は」
「ここで暗殺された黒の騎士。少し前までは黒く塗った鎧を展示していたそうじゃ。今は本物が見られると言っていた」
「写真は本物なんですか」
「そうじゃ……周りに柵があるが、わしは中へ入れてもらって……」
「また迷惑を掛けてますね」
「カンタベリー物語館でも、最後にこの黒の騎士が紹介されている」
「はい、最後の見所」
ステンドグラスじゃ」
「これも教会では必ずありますね」
「いかにも古典的なものから、近代的センスを感じさせるものまで……わしは20ヶ所ほどの写真を撮ってしまったが、それだけの価値がある」
「その中から、上右の写真は……」
「最も有名な、農耕をするアダム
「アダムって」
「アダムとイブのアダムじゃ」
「はい、そういうことで……」
「カンタベリーは今回をもって最終回といたします」

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