Musique pour l'eau Concert a Francaise(第2部)

「さて、休憩の間にアンケート用紙の感想を書こうと思ったが、困ってしまった」
「どうしたんです」
「フランス語が分からない」
「あらら……でも、出演者全員日本人ですから」
「そう、それにもう一つ困るのが、印象に残った曲という欄。楽器の個性と演奏家の個性がぶつかり合い、そして調和する。世界を作り上げているのだから、全部と答える以外ないじゃろう」
「それでいいんじゃないですか」
「それではアンケートする意味がないし……」
「いい加減な大家さんが、変なところで律儀なんだから」
「この分なら第2部も同じ展開じゃろうと、感想をそのように書いてしまったら……」
「いかがでした」
「まさにその通りじゃった」
「よかったですね」
「まずは心花のソロ……って、2人じゃが……右上の画像は、最新CD『架け橋の向こうに』のジャケット」
「あれ……3人いますよ」
ななえちゃんの妹でソプラノ歌手のMariさんが加わっているのじゃ」
「へえ」
「瀬戸大橋の開通20周年を記念した曲で、いかにもそれを意識した、わざとらしい歌詞が素晴らしい」
「大家さんが言うと、あまりほめていないように聞こえますね」
「まあ、そういう作品……左にあるのが、2人のサイン」
「で、今日の演奏は」
散歩。』から始まった。日本ではテレビでもお馴染みの曲じゃな。もう1曲『さくら』、これもお馴染みのアレンジ作品」
「ファンとしては満足の選曲ということですかねえ」
「続いて『希翼〜海を越えて』では、和太鼓の金刺敬大君が加わった」
「珍しいアレンジですね」
「続いては小濱明人さんの尺八ソロで『打波』……これが尺八本曲だから驚き、現代音楽のような響きを感じてしまった」
「尺八も不思議な世界を作りますね」
「まさに空間を作るという感じじゃな。続いて、笙の石川高さんと、和太鼓の敬大君で、敬大君作曲の『天水の調べ』、雨をもらたす雷をイメージしたそうじゃ。この曲のみ、大太鼓だけによる演奏、やはり迫力じゃな」
「一言ですね」
「右の写真が敬大君と一緒に撮ったものじゃ」
「うわ……腕がすごいですね」
「さすがじゃな。わしも背広でなかったら十分比べられるのじゃが……」
「本当ですか」
「比べられるというだけ……負けないとは言っていない」
「負け惜しみだね」
「笙が天空を作り出すので、このバランスも絶妙じゃ」
「さて、曲も最後になりました」
小濱さん作曲の『波織り』、このメンバーのために作ったというので、笙と箏、箏と和太鼓、和太鼓と尺八、尺八と笙……その他組み合わせが全て出てきて、全体での調和もある。まあ、素晴らしいの一言じゃ」
「はい、いい演奏会でした」
「アンコールに全員で『ふるさと』、これもいい編曲だったが、和太鼓が迫力を出せないな」
「まあ、そうですね」
「それでも、このような曲にもちゃんと対応するのが、実力を見せつけているということになるのじゃな」
「はい、満足の演奏会でしたね」
「終了後のインタビューがすごかった。お客さんが押し寄せて……」
「珍しい楽器ですから」
「もちろん、実力が伴ってこそじゃな」
「左上が、は・や・とのDVDに入っている解説の絵、下の左がサインじゃ」
「最後に」
「右が心花との記念撮影」
「はい、無事に終了したことをご報告して、一巻の終わりといたします」

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