2月24日 早朝寄席

「さて、昨日は大風のために予定がグチャグチャ」
「そうなりました」
「それで、今日はお詫びに上野の早朝寄席へ」
「お詫びって……」
「このブログでも紹介したが、昨日は市川行徳で柳家ろべえ君の勉強会が行われた。ゲストは桂夏丸君」
「それが」
「東西線が完全に止まって行けなかったのじゃ。それで今日早朝寄席ろべえ君が出るので」
「なるほど」
「後で聞いたら、昨日は大変だったそうじゃ」
「どういう風に」
「とにかく直接行く電車が止まったから、別ルートで西船橋に出た。そこからバスかタクシーってことになったが、タクシーの数が少ないから来る見込みがない」
「じゃあ、バスで」
「バスは200人も並んでいたそうじゃ」
「あらあ……どうしたんです」
「会場まで約4キロ。ちょうど開演まで1時間と少し。歩いてぴったりということで……」
「歩いたんですか」
「それが道に迷って走ったりして、何とか予定通り少し前に着くことが出来たそうじゃ」
「よかったですね」
「よくない」
「どうしてですか」
「お客さんがいないのじゃ」
「あ……昨日の風じゃあねえ」
「それで飲み会だけやって解散しようと思った」
「それもいいですね」
「よくない」
「どうしてですか」
「たった1人お客さんが来てしまったというのじゃ」
「ええ……じゃあ、どうします」
「そのお客さんも一緒に飲もうってことにした」
「なるほど、それがいいでしょう」
「よくない」
「どうしてですか」
「開演時間になってどっとお客さんが来て……合計5人になった」
「あらあ……」
「それで、ろべえ君が『皆さん大変ですね、どうやって来たんですか』って来たら、みんな東西線で来たという」
「え……」
「開通したのに乗ったら間に合ったという……」
「じゃあ、ろべえ君の4キロは何だったんですか」
「まあ、そんな訳で……」
「今日はいかがでした」
「本当は8時58分で間に合うのじゃが、風の影響を考えたので、8時35分のに乗るつもりで出掛けた」
「そのくらいで大丈夫ですか」
「昨日で懲りているじゃろうから」
「大丈夫ですかねえ……」
「まず家からのバスが7分遅れで出発」
「遅い」
「そのお陰で、予定した8時35分の電車には乗れなかった」
「残念でした」
「8時20分のに乗れてしまった」
「え……」
「電車も遅れているのじゃ」
「なるほど」
「ところが柏に着いたらそこで全線ストップという情報。その後昼過ぎまでちょっと動いては止まったとか……」
「すごいですね」
「しょうがないから振り替えの乗車券をもらって東武電車からTXへ」
「TXだと、秋葉原から階段を登るのが大変ですね」
ろべえ君は1分で駆け上がった記録を持っているそうじゃよ」
「すごい」
「わしは新御徒町から大江戸線で御徒町へ出て寄席へ」
「大変ですねえ」
「まあ、そんな訳で10分ほど遅れて寄席に到着出来たのじゃ」
「それならまあまあですかねえ」
「さて、入場するともう古今亭朝太の『熊の皮』で女房に挨拶を教わったところ。いい調子だった」
「まあ、半ばでも良かったと」
「そういうこと」
「次は三遊亭ぬう生
「『こんにゃく問答』。田舎者の権助と主人公の江戸ッ子、こんにゃく屋の主人の違いが素晴らしい。雲水は若い僧、この方が説得力があるな」
「いい出来ですか」
「かなり」
「大家さんには珍しい。次がろべえ君ですね」
「師匠譲りの『旅行日記』じゃ。師匠の口調が出ておもわず吹き出してしまった」
「出来は」
「かなり良かったぞ」
「さて、トリが三遊亭きん歌
「『現代版だくだく』……これも素晴らしい。トリックアートや、現代の問題を風刺的に入れ、無理なく現代に移している」
「……全部ほめていますね……前回の早朝寄席はあまりほめていませんでした」
「そうじゃな。若手の勉強会じゃから、出来の悪いことも多い。課題も多い。今日のだって、若手だから課題は沢山ある。べた褒めという訳ではない」
「はい」
「さて、一端表へ出て、再入場。鈴本の正規の昼席にも参加した」
「それはもちろん」
「そう、別ページでご報告いたします」

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