2月3日 上野広小路亭

「さて、今日は雪のため仕事はお休み。さっそく上野広小路亭へ」
「電車も雪で影響していましたよ」
「朝のうちはかなり影響があったらしい。わしが出掛けた時は自宅近くの駅で10分遅れ、上野に着いた時は5分遅れ。実は特別快速というのがあって、上野まで行くのは一番早いのじゃが、今日は全部運休だった」
「あまり影響はなかったということですね」
「寄席の方もお客さんが少ないと思ったら、以外に入っていた。もちろん空席もあったが……」
「さて、前座は……」
瀧川鯉八。出し物は『新聞記事』じゃ。
前座にしては上々の出来というところじゃな。もちろん色々未熟な部分があった」
「後はプログラムに載っている人ですね。神田紫
「『山内一豊の妻』、それから踊りで『かっぽれ』」
昔々亭慎太郎
「『親子旅行日記』、新作じゃが、わしは2度目。悪くない話。もう一つ何か風刺など加わると未来に残るかも」
マグナム小林
「お馴染みヴァイオリン漫談。タップダンスと組み合わせてから面白くなったね」
三遊亭圓輔
「『火焔太鼓』、いよいよ芸協でも多く取り上げられるようになってくるかな。とにかく主人公の性格が演じ手によって少しずつ違う。かみさんの恐妻ぶりも、主人公の人の良さも、歴史に残る傑作じゃよ」
柳家蝠丸
「珍しい『鴻池の犬』。犬が江戸っ子で、大阪へ行くのじゃが、その経緯があって、後は上方の落語と同じ。落ちが品を落とさぬように改訂してあったのはさすが……って、東京では初めて聞いたので、みんなそうなのか分からない」
「続いてWモアモア
「お馴染みの漫才、いい雰囲気だったぞ」
三遊亭栄馬
「『替り目』、1月7日に書いたものを参照のこと」
「手抜きだね」
「それから節分の豆まき。わしは遊之介師匠の手拭いと、豆4袋をゲット」
「すごいですね」
「実は桃之助君がわしにまとめて投げてくれた」
「なるほど……ここでお仲入り」
桃之助君、美由紀ちゃん、手拭いをいただいたから遊之介師匠、それに桃太郎師匠にお土産を持って行った」
「いつも大変ですね」
美由紀ちゃんは代演だったのにお土産をいただいてってびっくりしていた」
「それで、食いつきは昔昔亭桃之助君ですね」
「出し物は『雑俳』、春風亭柳昇師匠が演っていたのをそのまま。調子に柳昇の口調が残っている部分があって思わず微笑んでしまったが、全体には自分の調子にして来ているので誤解のないように」
春風亭美由紀
三味線漫談、歌舞伎を彷彿とさせる見事な三味線もあり、最後は踊り……素晴らしい高座じゃ」
三遊亭遊之助
「『雛鍔』をたっぷり。雛祭りがちょうど1月後だからね」
雷門助六
「マクラが何となく間が抜けていておかしかった。出し物は『支店本店』。途中までだったが面白いな」
鏡味健二郎
太神楽でお馴染みの物ばかりなのじゃが……どうもバランスが良くない。おやおやと思って見ていたが、最後のマスを落としてしまった。大丈夫かな……」
「トリは昔昔亭桃太郎師匠」
「最初は出し物が何だかさっぱり分からない桃太郎ワールド。それが、何と、何と、『不動坊』。ううん、やはり世界が違う……落ちが何となくピンぼけで……やっぱり続きがあった」
「落ちの後があるんですか」
「これがまた桃太郎ワールドじゃな」
「はい、そういう訳で」
健二郎師匠は心配じゃが、とにかく満足の席でした」

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