12月27日　心花演奏会

「さて、奈織ちゃんの演奏会、第１部を終えてから遅めの昼食」
「何を食べたんです」
「近くの蕎麦屋で、お勧めの作品。蕎麦に鶏肉や野菜を乗せてあるもので、蕎麦は味はいいがちょっとトッピングが邪魔でたぐりにくい、Ｂ。トッピングは汁との相性が抜群Ａ。そば湯が使えないのでＢ……まあ全体ではぎりぎりＡに入れてよかろう」
「今日はグルメ情報ですか」
「ではまた明日」
「大家さん、タイトルがまだ……」
「あ、また忘れちゃった。奈織ちゃんの演奏会は無事終わったが、寄席の方までまだ２時間もあるんで、暇つぶしに見に行ったのが心花（ここはな）という女性デュオの演奏」
「大家さんのことだからクラシック系ですか」
「もちりん。珍しい25弦のお琴で、これまで３枚のＣＤがあるが、歌も入っている」
「クラシックの歌ですか」
「いや、これは歌謡曲だと思って聞いた方がいいな。来年１月９日に発売のＣＤではソプラノの方Ｍａｒｉさんが共演される」
「宣伝ですか」
「正直、冷やかしのつもりで行った演奏会じゃが、音楽性、テクニック、素晴らしいものじゃった」
「へえ」
「琴の音色を生かした和風のもの、激しいテクニックを駆使するドラマチックなもの、さっき言った歌謡曲の雰囲気を持つもの……まあ面白いぞ」
「良かったということですか」
「だから土産を渡して……」
「用意していたんですか」
「いや、前日の可女次君や夢吉君に用意した土産が余っていたので……」
「ひどいや」
「代演などもあるから、常にいくらかは用意してある。たまたま女の子向けのチョコが２つあったから……」
「まあいいでしょう」
「それで、３月19日には表参道で結成３周年の演奏会も予定されている」
「平日ですから、行けませんねえ」
「その日病気になって、会社を休むことになったら行こう」
「またそんな……」
「皆さんもぜひおいで下さい」
「さっそく応援団になっているな……」