12月27日 内田奈織ちゃん演奏会

「さて仕事を終えて日本橋(三越前)まで行くことになったが、普通は1時間40分くらい」
「いきなりどうしたんですか」
「それで、内田奈織ちゃんの演奏会に間に合うように駅へ着いた訳じゃ」
「なるほど」
「ところが、駅に5分前に着くはずじゃが、駅直前で、上り列車が発車している」
「ああ、1本前ですか」
「いや、1本まえは15分も前に出ているはず」
「……ミステリーですね」
「駅に着いて分かったのが、どうやら事故があって、滅茶苦茶にダイヤが乱れているらしい」
「あら」
「まあ、次のに乗れば、30分くらい遅れても何とか間に合う」
「じゃあ、安心」
「ところが、その発車時刻になってからアナウンス、この列車が運休だと」
「あらら、どうしましょう」
「次の列車も完全に遅れ、そうなると、演奏会に間に合わせるには、特急に乗るしかない」
「特急ですか」
「フレッシュしたちじゃ」
「……『したち』じゃなくって『ひたち』でしょう」
「わし、イドっ子なので」
「お読みになる方、発音は『イ』にアクセントを置いて下さい」
「そういう訳で特急に乗車」
「これ、900円の特急料金がかかるんですよね」
「もちろん。しかし、列車が遅れて仕方がないからと駅員に文句を言って……」
「払わなかったんですか」
「これで遅刻して商談がまとまらなかったら、JRが責任を取るのかって迫ったら……どうぞってんで……」
「どこが商談ですか」
「ま、冗談じゃ」
「しょうがないね全く……それで、間に合ったんですか」
「残念ながら、最寄り駅に着いたのが、ぴったり演奏会開始時刻」
「間に合わなかったんですね」
「それが、わしの到着を待っていてくれて……8分遅れで無事演奏開始」
「おいおい」
「曲は奈織ちゃんのこれまでの集大成といえるような曲目だったな。アニメから『冬ソナ』、『千の風に乗って』、2年振りにナマで聞いた『そしていつもと同じ月と星』、曲に感動して詩を贈った人がいるとか」
「大家さんでしょ」
「まあ、ともかく、『夕凪の街、桜の国』から『ひとつの願い』、そして最後はもちりん、ハープ協奏曲『希望への翼』じゃ」
「本当に、これまでアルバムから名曲を選んでいるようですね」
裕次郎は、第2部で登場」
「2部もあったのですか」
「同じ曲も重なっているが、2度とも聞くしつこい客もいるので……」
「大家さんでしょう」
「まあ、素晴らしい演奏で、テクニックから雰囲気作りまで、とにかく隙がない。もちろん最後は愛する二人のツーショット」
「……そうすると、今年最後の演奏会として、満足ですね」
「それが……」
「何かあったんですか」
「そのまま夜の寄席に行くのじゃが、間があって……別の演奏会に行ってしまった」
「あらら……ブログで最後だって宣言しておきながら……裏切り者ですね」
「それにもう一つ」
「何です」
「30日にMODEAの演奏会があるので……行ってやらなければ……」
「まだあるの……本当に裏切り者ですね」
「まあ、その報告をお楽しみに」

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