11月23日 鳥獣戯画展&酉の市

「さて、昨日のことじゃが、お休みだったので、家内とデート」
「どちらへ」
六本木サントリー美術館から、『鳥獣戯画展』の招待が来たので」
「美術館は久し振りですね」
「まあ、この作品は知らない人はないじゃろう。ただ、家内は、人間が出てくるのは知らなかったそうじゃ」
「あ、人間も出てくるんですか」
「平安末期から鎌倉時代にかけて描かれたもので、4つの巻に分かれている。それぞれの一部分じゃが、全部見ることが出来る。月末からは違う部分を展示し、二度行けばほぼ全部が見られるのじゃ」
「へえ」
「まあ、それで、有名な甲乙の部分が兎や蛙らが登場するものじゃ。乙にも人間が出るし、丙丁では人間が主役になってくる」
「どうしてそれが『鳥獣戯画』なんです」
「最初のが印象的すぎるからじゃろう。それで、坊さんの落書き風なものをまとめて同じシリーズとしたのじゃろうな。丁の巻は絵も下手じゃ」
「はい、それで」
「さて、美術館の入っているビル、その隣接している有名なビル、ちょうどお昼でレストランは大混雑の様子。そこでお隣のビルの裏……落ち着いた雰囲気の有名なイタリア料理のお店イルソーテへ」
「昼食ですか」
「昼食メニューは辛口のナポリタン。サラダの上品な味付けが何より。ナポリタンは腰がしっかりしているし、麺に味付けただけという本格。なかなかだった。まあ、ちょっとお高めじゃが、雰囲気を買ったと思って……」
「はい」
「まあそれでついでだから浅草まで戻って酉の市へ」
「ああ、それが上と右の写真だ」
「今年は11日が日曜日で、二の酉が昨日。2回とも休日で大混雑。昔行ったのは平日だったのでゆったり見て回ったが、今回は奥まで2時間も並んだ」
「いやあ大変ですね」
「明日、桂夏丸君の落語『酉の市』について紹介する」
「は、そんな続き方をするんですか」
「わしの資料にもなかった珍品じゃな」
「はあ、今年は二の酉まで……三の酉まであると火事が多いって言われますよね」
「いや、あれは間違い。『火事』ではなく『家事』なのじゃ。三の酉は仕事など忙しくなるぞってんで、商売をやっている人は必ずお詣りする」
「へえ」
「それで、例年なら一の酉か二の酉で、どちらか一度行けばいいのじゃが、三の酉の時は二度行かなければならない。そういう訳で神社の方も儲かる」
「そういう訳ですか」
「そういう訳ですよ……それでは本日はこれまで」


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