11月18日 日本の象牙彫刻展

「今日はお仕事だったが、朝から楽天のメンテナンスで書き込みが出来なかった」
「はい」
「それでお昼過ぎで仕事は終わったので、日本橋で行われている『日本の象牙彫刻展』へ出掛けた」
「目的は」
「出展されている阿部裕幸さんの作品」
「はい、落語家桂夏丸君のお父様ですね」
「さすがという作品だった。三つの作品が展示されているが、いずれも落款の根付け」
「ラッカンて何です」
「書画に押すはんこじゃよ」
「その一つは、文字は『願望』。一本足の妖怪が足湯に入っているのを、足のないお化けがうらやましそうにのぞいている」
「あら……さすが噺家の父親」
「まあ、そのようなセンスあふれる作品ばかりじゃ。高円宮コレクションから2点、これも素晴らしい作品じゃ」
「大家さんに象牙の趣味があるとは」
「いやいや、趣味がある訳ではないが、見ていて素晴らしいぞ。彫刻の細かい作業などが想像されて、見ているだけでもすごい」
「象牙って、今手に入らないんでしょ」
「1本展示されている。1本17キロくらい。これをみんなで何グラムずつ分けて、どのような作品を作りましたって報告を出すそうじゃ」
「やっぱり面倒なんですねえ」
「それが芸術じゃな……昨日は高円宮后紀子様もお見えになったそうじゃ」
「はい、この展覧会は」
「明後日、20日まで。日本橋高島屋で開催中。作家の阿部氏を見つけたら、『名作落語大全集』を見て来ましたと言ってくれ」
「何かありますか」
「『ああそうですか』って答えてくれる」
「それじゃあしょうがない」
「そうそう、作品販売もやっているが、『名作落語大全集』を見たと言えば、阿部氏の作品が10万円きっかりにしてくれる」
「象牙って高いんでしょ」
「もちろん。100万以上の品が幾つも並んでいるぞ」
「それが10万なら安いですね」
「いや、10万円になるのは阿部氏の作品のみ……確か7,8万の物」
「あらら……じゃあ高いじゃん」
「まあ、とにかく見るだけで価値があるので、皆様、明日明後日時間がございましたら、お出かけ下さい」
「はい。今日はこれまでですか」
「いや……それから末広町まで出て、パズルショップtoritoへ」
「やっぱり……田舎者は上京するといくつか回らないでいられない」
「そうじゃな。小田原充宏さんの新作がほしかったが、書店などを優先したため、21日以降でないと入らないそうじゃ」
「あらら……どうします」
「その書店に行くかなあ……」
「じゃあ、何も買わなかった」
「いや、3点ほど入手した」
「それから」
「我が家のある茨城まで戻り、もう一つ買い物をしに行こうと思ったが、すっかり遅くなったため、中止」
「とにかく、色々あった一日だったってことですね」
「はい、本日はこれぎり」


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