9月9日 早朝寄席

「今日はそういう訳で、上野鈴本の早朝寄席」
「全然脈絡がありませんね」
「わしが通い始めた頃は30人入れば大入りだった。1桁ということもあったのに、今は客席の3分の1くらい埋まっている」
「前もそんな説明をしていましたね」
「まあいいことじゃ」
「さて、少し遅れたので、1人目鈴々舎風車の『やかんなめ』はすでに侍に女が頼み込んでいる場面。なかなかの出来だったと言いたいが、前半見ていないので……」
「二人目は三遊亭あし歌の『宮戸川』。娘の台詞がうまいのだろうが……」
「だろうがって……」
「あまり臭くて……それにおじさんが声を聞いて戸を開けるまでぶつくさ……これは誰でもやるが、この場面がとにかく長くて長くて……表で10分も待っている甥っこ達が可愛そうじゃ……まあ、とにかく違和感だらけの一席」
「三人目」
古今亭朝太の『火焔太鼓』、太鼓の形に納得、これは本物の火焔太鼓か……もちろんミニチュアだが……しかし、主人公の古道具屋の親父が精神分裂。興奮から訳が分からない状態になるのを表現しているのだが、とにかく興奮して喜んだり泣いたり……コロコロ変化しすぎと感じた。全体には上出来、本当に面白いのじゃが……この人物描写だけは一考の余地ありかな」
「トリは」
古今亭ちよりん、まあ、今日は彼女が出るからってんで出掛けたのじゃ。先日土産も渡していないので……」
「はいはい、出し物は」
「『やかん』じゃ。前の人が盛り上げたからじゃろうか、非常にテンションを下げて進んで行く。ちょっと間が気になる。そして、問題のやかんの由来になると、一気に盛り上げた」
「上出来ですね」
「まだまだじゃな」
「あらら……どういうことです」
「やはり教えるのは、それだけの年期を積んだご隠居とか、かなり年長者でなければならないような気がするな」
「年齢に差がない」
「教える側と教わる側が、同い年くらいに感じる。言葉が現代語でおかしかったが、教わる方はそれで行けるが、教える方にもう少し貫禄がほしい。嘘を教えて、若者が反論しても、そうなんだって決めてしまうような力がないのじゃな」
「はあ」
「そういうわけで、みんな課題満載じゃな」
「今日はその後は」
「本当はここまで来たのだから広小路亭に行きたい。ただで入れるのに、まだ今年一度も行っていないのじゃ」
「忙しいですからねえ」
「まあ、そういう訳で、その先まで足をのばし、パズルショップtoritoさんにご挨拶。アメ横へ戻ってお昼。亜麺坊というラーメン屋で醤油ラーメンと餃子のセット」
「お味は」
「餃子はこんなものじゃろう、★★★★☆。麺は細くて美味い、腰がしっかりしている、★★★★★。スープはちょっと辛いな、品がないが麺とはあっている、★★★☆☆。具は普通だが、麺とよくマッチしているので、★★★★☆」
「グルメのページになっちゃったね」
「それから本屋さんによって、仕事が残っているので戻ってお仕事。それから家内と買い物に行って帰って来たところ」
「はいはい、ご苦労様」
「そろそろ湯に入って、笑点見ながら一杯やろう」
「また飲み過ぎないように」

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