8月16日 福島への旅:その1那須から大内宿へ

「さて、そういう訳で、福島県は猪苗代へ」
「予告もなしに突然ですね」
「日曜の奈織ちゃんの演奏会から、何となく忙しい忙しいが続いて……」
「だから何です」
「そちらの記録を残さなきゃってんで、先を見ることが出来なくて……」
「ううん……これは大家さんの人生の縮図ですね」
「そうほめるな」
「ほめてない」
「それで、気が付いたら、出発の日だった訳じゃ」
「さて、こうして出発した訳ですが……」
「家内の母親を連れて行くってんで、東京まで行って……」
「方向が逆ですね」
「首都高がすいていたから、1時間半程度で行けた。今度は常磐道でなく東北道へ」
「なるほど……」
「ちょうどお昼で、サービスエリアで昼食にしようと思ったが、すごい混雑」
「ダメですか」
「やーめたってんで、那須塩原で高速を下り、少し先でそば屋を見つけた」
「はい」
「ここでそばでもたぐろうと思ったら、何と、天ぷらそばが限定30食で、懐石の先付がついているという」
「いいですね……でも、天ぷらって、山の中だから……」
「そう。海老も魚もなく、野菜の天ぷらだって……それじゃあ、それいただこうってんで……先付6種をいただいて、そばが出てきてびっくりした」
「どうしました」
「新鮮な野菜の天ぷらが10種類も……南瓜、茄子、獅子唐、大葉、菜、瓜、筍……おいおい、こんなに沢山……すごい量じゃ」
「昼食じゃないですね」
「そう。そこから店の裏を下りると、日本一の吊り橋」
「あ、最初の写真だ」
「正解……一番、右上の写真……」
「もう右側に3枚目の写真が出ているのに……なんといい加減な」
「そうほめるな」
「ほめてない」
「しかし、どうも今更という建築物で……あまり興味がそそられない。まあ義母も足が悪いから、渡るのは中止して、そこから再びドライブ……着いた所が塔のへつり
「写真左上のやつですか……ここも吊り橋ですか」
「そう。写真の右側へ渡って、お地蔵様などを拝むという……」
「それから」
「おしまい」
「何です」
「それだけ」
「あら」
「景色はいいぞ。右上が橋を渡り切ったところからの景色」
「確かに」
「さて、再びドライブ、今度はすぐ2,30分の所。大内宿。左がその写真」
「昔の宿ですか」
「会津から江戸へ出る時の宿場だったらしい。その町並みを残していて、各家では、自分でとった野菜とか、民芸品とか……そういった物を売っている」
「なるほど、大家さんの趣味だね」
「まあ、そういう訳でホテルに着いて夕食。ホテル内の料亭でフルコース」
「メニューは」
『磐梯高原の夏』と題されたコースで、食前酒がブラッドオレンジ黒酢サワー、これに先附『太白トマトゼリーとアスパラガスのムース、カクテル仕立て』『桃うどんの吸酢、胡瓜茗荷ずわい蟹胡麻』『涼彩寄せ豆腐、生雲丹山葵ポン酢餡』」
「無理に難しい話題にしてきたな」
「続いて『仔羊のポワレ特性ソース』と『帆立と那須のバルサミコ酢風味』。ここでお椀お清まし仕立て『鱧くず打ち、冬瓜、石川芋、よもぎ麩、じゅん菜、梅肉、木の芽』。お造り『本鮪、勘八、真鯛、あしらい一式』。煮物『海老のビスクスープ仕立て 鱸印籠巻き、高原大根、人参カステラ、南瓜、パン、青身』。焼き物『あゆの塩焼きとあわび照焼肝味噌風味、エリンギ、小松菜、蓼酢おろし』。さあ、いよいよお食事、『田舎の味青紫蘇巻おにぎり 香の物、赤出し汁』、これにデザート4品が出ておしまい」
「……ちゃんと読んでいる人いますかねえ……」
「まあ、わしの記録ということで……」

2日目(喜多方)へ     表紙へ戻る

inserted by FC2 system