7月24日 夏丸ろべえ仙花勉強会

「さて、ようやく24日、帰国した日の報告じゃ」
「お昼ごろに自宅へ帰りました」
「久しぶりの家での昼食、一休みして、タイトルにある夏丸ろべえ仙花の勉強会へ」
「忙しいことで……」
夏丸君の1席目は『玄関の扉』、もうこなれてきた作品。山場というか、盛り上げ方が難しいな。もっとひきつけられる噺になると思うが、全体に淡々と進んでしまう」
「続いてろべえ君」
「『ちりとてちん』を演じた。一度寄席で演って、師匠から『まだお前がやる噺じゃない』って言われたとか……」
「それでも今日取り上げた」
「演目を発表しているので……しかし、師匠の言うとおりじゃな」
「え……じゃあ、まだ取り上げる噺ではないという……」
「そういうこと。まず人物が出来上がっていない。最初の世辞のいい人物が年寄りくさく見えたり、若々しく見えたり……まず、そういう人物をしっかり作って持っていないと……」
「人物描写ですか」
「それが落語の型になる。内容をただ伝えても訴えるものがない。なるほど、まだ人様に聞かせるものに出来上がってはいないということじゃ」
「それではまた勉強してもらって……」
「こういうアドバイスを生かして、来年は違う世界ができてくると思うなあ」
「それから仙花ちゃん」
太神楽……練習の成果を、ということじゃが、おなじみのものばかり。忙しそうじゃな」
「練習があまり進んでいないということですかねえ」
「アメリカへ1週間行っていたらしい。わしも英国からさっき帰ったばかり。話が盛り上がった」
「はい」
「8月14日、国立演芸場で太神楽祭りが行われる。ぜひ皆さんお出かけください」
「CMでございます」
「最後は夏丸君の2席目。『茄子娘』じゃが、若い彼が取り上げるのは難しいな。年寄りが演じると、それなりの深みを感じるが、若さが前面に出るとエロ噺に傾いてしまう危険も……主人公がまだ若いのか、そこそこの年へ行っているのか……どうも後者らしいが、その年齢がはっきりしないのは、まだこなれていないのじゃろう」
「ろべえ君と同じですね」
「そうなるな。落語を演じる上で、主人公の生い立ちや年齢、性格など作っていかなければならない。この点は演劇と同じなのじゃろう」
「はい」
「そういうわけで、落語会の報告でございました」

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