6月12日 夏丸ろべえ仙花勉強会

「どうもバタバタと忙しくて休めない」
「まあ、仕事って大変なものですから」
「今日はちょっと体調が良くないので病院へ外出」
「仕事中ですか」
「うちの会社は、外出は届け出を必要としない。どの社員でも責任者に申し出ればいいことになっている」
「へえ」
「それでこっそり抜け出した」
「こっそりって、申し出はどうしたんです」
「わしが責任者じゃからいいじゃろう」
「いいんですか」
「それで、体調がすぐれないから、そのまま帰るよと言っておいて……」
「どうしました」
「病院へは寄らずに上野の寄席へ直行」
「やっぱり」
夏丸・ろべえ・仙花の勉強会じゃ」
「若手の会ですね」
夏丸君は正式に二ツ目昇進が決まった。9月に披露目じゃ、皆さんもぜひ応援して下さい」
「はい。それで、昨日の落語は」
「まず夏丸君で『芋俵』丸2年前に聞いたが、泥棒3人と店の人、番頭と小僧と女衆、それぞれの人物描写が良くなっている。ちょっと若さも感じられるから、まだ成長するな」
「楽しみですね」
仙花ちゃんはバチの芸……時間を勘違いしていたので、無駄話をたっぷり」
「それはそれで面白いですね」
「再び夏丸君の登場、自作の『落語依存症』。まだこなれていない感じがある。発想は面白いが、後世に残る作品ではないかも知れない。まあ、磨いて行くと改訂されるから、今の時点で決めつけるのも危険じゃな」
「はい、そうするとトリはろべえ君ですね」
「出し物は『青菜』。前半の落ち着いた雰囲気……これも若さかな、悪くはないが磨く余地がある。後半の暑苦しさは良かった。夜を徹して飲んだ関係で、体調不良らしく、妙な汗をかき始めたが、それがこの落語と実によく合っているのがおかしかった」
「はい、そうすると上々ですね」
「うん……とにかく鑑賞に耐える会になった。お客さんも1桁が続いていたのに、先月20人以上、昨日も14人。もっと来てくれるといいな……続けることに意義がある」
「はい」
「その後例によって食事会、3人とも色々あって疲れていた。ろべえ君はさっき述べた通り飲み続け、仙花ちゃんはイベントの連続でぐったり、夏丸君は二ツ目昇進の準備で……まあ、出来るだけ応援して行こう」
「はい」
ろべえ君と仙花ちゃんは、来月22日、市川市の行徳文化ホールに登場する。2時開場、30分開演、木戸銭は千円じゃ。問い合わせは047-701-3011(行徳文化ホール)じゃ」
「もちろん、大家さんも」
「残念ながら、わしはケンブリッジ大学で講義をしている日程で……翌々日24に帰国するが、その夜3人の勉強会が上野落語協会2階で行われる。こちらは間にあうと思うので参加するぞ」
「はい、さりげなく、堂々と宣伝をありがとうございます」
「そうそう、ろべえ君は今月24日、上野鈴本の早朝寄席にも登場する。10時から木戸銭500円じゃ」
「はい、皆さん、ぜひお出かけ下さい」

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