4月25日 グレース・ケリー展

「さて、今日は仕事をサボって……」
「またですか」
3月で岡山の会社を辞めた訳じゃが、その退職金が中国銀行に入金されている」
「ああ、CHAINA BANKですね」
「そういうギャグは顰蹙を買うぞ」
「……大家さんに言われたくないですね」
「この銀行は、皆さんご存知の通り……」
「知りませんよ」
「関東では日本橋……地下鉄『三越前』の出口にキャッシュコーナーがあるだけ」
「その出口そこ!」
「お江戸日本橋亭……寄席に一番近い出口なのじゃ」
「はい……宣伝終わり」
「それで、退職金を引き落とし、郵便局に入れて……せっかくじゃから三越へ」
「それがグレース・ケリーなんですね」
「わしはファンなのじゃ」
「何かきっかけは」
「家内によく似ている」
「え……」
「今後ろからのぞいていたので……ヒッチコックの映画も好きじゃが、王妃になってからの活動も素晴らしい」
「そうなんですか」
「ボランティア活動に努力し、植物を愛していた……実はそういう写真が山のようにあるのじゃが、ここでは公開できない」
「それは残念」
「まあ、それで、ドレスやら何やら見学し、薔薇をデザインしたボールペンやキャンディーをいただいて……」
「バラって何です」
「お前、わしが薔薇と漢字でしゃべっているのじゃから……」
「私は難しい漢字はダメです」
「しょうがねえな……彼女をたたえて『プリンセス・オブ・モナコ』という品種があるのじゃ。これがデザインされておる。今はフランス語で『プリンセス・グレース・ドゥ・モナコ』という」
「ほう」
「彼女が始めたボランティアで、『グレース・ケリー基金』にも参加したいのじゃが、お金がかかりすぎてわしには出せない」
「金額が高いのは残念ですね」
「いつも心は動くが、なかなか決断は出来ない……給料がもう少し上がったら……」
「はいはい」
「そういう訳で……このまま渋谷へ出て、MODEAの演奏会となりますが、その内容は表紙から改めて移動をお願い致します」

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