3月18日 内田奈織ちゃんコンサート(1)

「さて、京都行きの続きじゃが」
「一番の目的は、お馴染み内田奈織ちゃん!!なんですね」
「そう。昨年は京都、大阪、銀座、日本橋の演奏会に参加。昨年は15回の演奏会に行ったが、そのうち4回が奈織ちゃん、締めくくりも年忘れコンサート、大晦日の奈織ちゃんだった
「すごい追っ掛けですね」
「とにかく岡山県津山市に住んでいると、演奏会には縁遠い。岡山か倉敷まで出なければならないから、片道2時間を計画しなければならんのじゃ」
「今回はそれより遠い京都ですが」
「駅前から京都まで3時間、高速バスが1日4往復している。とにかくこの日は雪が降ったりやんだり……喘息持ちのわしには最悪のコンディション。早く空調の利いているホールへ行こうってんで……」
「さて、それで演奏会は」
「奈織ちゃんらしい部分と、新しい世界が感じられるすごい演奏会だったぞ」
「では具体的に行きましょう」
「オープニングは『いつも何度でも』、お馴染みアニメの曲で、これは彼女の定番。子供もひきつけた」
「はい」
奈織ちゃん2「続いて『庭の千草変奏曲』。これはハープの弦を全て使うように作曲されたものじゃ」
「ハープらしい曲が続きますね」
「次が『ROKUDAN』」
「……ろくだんて……なんでローマ字なんです」
「お琴の古典的名曲に『六段』という名曲があるじゃろう。これを黛敏郎が編曲したものじゃ」
「お琴とハープで、何となくつながりが分かりますね」
「六段のメロディなら、みんな聞いたことがあるじゃろう……ところが、演奏はびっくりじゃ。これが、琴の音に聞かせるために、弦を押さえて音程を狂わせたり、弦をこすったり、胴を叩いたり、器具でこすったり……とハープの技巧はもちろん、新しい世界を次々に見せた」
「へえ」
「これはすごいな。すっかりアイドルになっていた奈織ちゃんだが、わしはそもそも見事なテクニックと音楽性でファンになった。顔とか言葉について何か言うと、また怒られるから省略……」
「失礼だね……その割によく写真を撮っていますね」
「写真を撮るときは、『彼女は美しい』と自己暗示を掛けている」
「本当に失礼な……」
「しかし、このように前衛的な曲にも挑戦、まあそれでもメロディが親しみやすいからこんな演奏会でも披露したのじゃろうが、アイドルからの脱皮が感じられたな」
「本格派ということですか」
「そうじゃ。落語では下手なのが急にうまくなるのを『化ける』という。彼女の場合は、常に新しい物を求め、新しい自己を開拓する。もっと素晴らしい演奏家になるぞ。その意味でまだまだ化ける余地を持っている」
「すごい評価ですね」
「正直彼女の第一印象が消えかかっていた。クラシックの演奏で注目したが、その後のCDが裕次郎、最新ヒット曲……という調子だったからな」
奈織ちゃん3 「そういう世界とは違う演奏ということですね」
「一流の演奏家が帰ってきた、そんな気分じゃ。実は昨年その徴候があった」
「その素晴らしさを感じた一曲ということで」
「うん。もうこれで十分じゃ」
「あら、帰ったの」
「誰が帰るか……ここでフルートの岡本果奈さんが加わって2曲……残念ながら、フルートの音が出ていない……体調が悪かったのじゃろうか。高い音は不安定だし、中間音は伸びがないし……」
「残念ですね」
「うん……正直言えば、今日の音なら、わしの方が上手じゃな」
「まあ、そういうことにしておきましょう」
「さて、第1部の最後はもちろん『希望への翼』、さっき言った変身の予感を感じさせた1曲なのじゃが、今日はフルートとのデュエット版。これでオケ版、ソロ版と3種類の編曲を聞いたことになる」
「はい……あれ、写真は」
「第2部の最初はハープ体験。お客様に舞台に上がっていただき、ハープを演奏してもらうという企画じゃ」
「子供への優しさが感じられますね」
「この後演奏に戻るが、それについてはまた次回」
「例によって引き延ばし作戦ですね」
「ではまた」

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