浅草演芸ホール 12月27日昼席

「さて、27日の寄席の報告じゃが、前夜は津山の会社の宴会で、その後夜行バスで東京へ向かった」
「また飲み過ぎたんじゃろう」
「もう駄目じゃな。量は飲めなくなった。その代わりバスに遅刻することもない」
「はいはい」
「さて、朝7時15分に新宿到着予定……いつもなら7時前に着くのに、この日は大雨と大風の影響があって、8時の到着」
「大変だったのう」
「当然電車も遅れがあり、いつもなら1時間で十分なのに、自宅到着は9時半。朝飯を食って、もう出発しないと……」
浅草演芸ホールだね」
「落語芸術協会の最後の日じゃ」
「さて、前座から行こうかねえ」
神田蘭ちゃんじゃ。もちろん土産持参。『伊達鬼夫婦』の一席。まだ客席は落ち着かないが、いい雰囲気で演じた。美人は特じゃのう」
春風亭笑松
「『時蕎麦』じゃ。年末にふさわしいのう。前後の店の雰囲気をよく変えていた。落ちは「7つ8つ、今何時だい」「4つで」……わしは4つというのが定番のはずだと思うておる。まあ、色々あるのじゃが」
「次はぴろき
ギタレレ漫談。夜席の予定だったのが歌六さんと入れ替わりじゃ。お陰で土産を渡しそびれた」
春風亭昇乃進
「下らない新作ばかり演っていると思ったら、何と柳昇流の『雑俳』。これが柳昇の雰囲気を残しながら、独自の世界を作っていた。ううん、この人の演ったので、初めてうなずけるものだったなあ。途中で一句忘れちゃったが、これがなければかなり評価の高い作品になったぞ」
春風亭柳好
「『たらちね』じゃ。ネタを物にしているということで、安心して聞けるな」
松旭斎八重子
「いつものマジック。『いつもの』というのは新鮮味に欠けるという場合と、安心して見ていられ面白いという場合と、両極に分かれる。ここは後者じゃ」
三遊亭圓馬
「これも夜席の予定が柳家蝠丸師匠の代演で登場。蝠丸師匠に土産を持ってきたのじゃが。出し物は『手紙無筆』。相手が読めないということを見抜きながら突っ込むのはおかしいなあ。現実としてはあり得ないのじゃが……この噺、何が魅力なのじゃろう」
三遊亭圓遊
「不思議な噺だった。最初は間違いなく『越後屋』、これから『いもりの黒焼き』につながって、『やもりの黒焼き』でおしまい」
松乃家扇鶴
春風亭美由紀ちゃんがお目当てだったのじゃが、残念ながら代演」
雷門助六
「これもお目当てだった瀧川鯉昇師匠の代演。『うなぎ屋』だったが、電気うなぎが出たり、意外な展開があって面白かった」
春乃ピーチク
似顔絵漫談じゃが、わしの隣のおじさんがモデルになった。群馬の元先生だそうじゃ」
三笑亭夢丸
「お目当ての三笑亭笑三師匠の代演……あわてて土産を届けたが……あれ、笑三師匠に持っていった土産ってどうなるのじゃろう。これも代演の人に渡るとしたら、同じ物が2つになってしまったなあ……」
「出し物は」
「『看板のピン』、文句なしにいいものはいい」
「仲入り後は、春風亭柳之助
「『桃太郎』だった。子供が親にする話し方が演じ手によってずいぶん違うものじゃな。聞き比べるおもしろさじゃ」
Wモアモア
「いつもの漫才。『いつもの』というのは新鮮味に欠けるという場合と、安心して見ていられ面白いという場合と、両極に分かれる。ここは後者じゃ」
「さっきこの台詞ありましたね。次は古今亭寿輔
「何とも怪しい雰囲気がおかしい。途中でおばさんの携帯が鳴り、このおばさんをみんなで避難したり……そうしている内に落語をやる時間なくなって、雑談で終わったが、でも面白いからいいや」
三笑亭可楽
「『イスラムの世界』かと思ったら、立川●志の悪口になり、後は『幇間腹』をじっくり。わしはやっぱり上方のよりも東京の『幇腹』がいいな」
翁家喜楽曲芸
「時間が押しているので、傘などを簡単にやって、卵へ……今日も完璧だった」
「さて、トリは春風亭小柳枝
「『妾馬』じゃ。兄が妹の姿にほろっとする場面はもう少し描いてほしいな。でもいい出来じゃ」
「これにて昼の部終演」
「しかし、『妾馬』が終わった時点で、もう夜席が始まるはずの時刻……どうなるのじゃろう」
「それでは夜席を……」
「夜席のページでごらん下さい」

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