11月5日 滝の旅 追加1 血洗の滝

「突然に滝の旅の続編ですか」
「津山城東むかし町を取材した後、南へ向かった。昨年11月26日に自転車で本山寺から誕生寺へ回り、津山線に沿って帰ってきたのじゃが」
「……去年の日記で、中途で終わっていますね」
「……唯一整理が終わっていない旅じゃな」
「それがどうしました」
「その本山寺から更に南へ行った所に、この血洗の滝がある」
「『ちあらいのたき』ですか。すごい名前ですね」
「日本武尊がやまたの大蛇を退治したのじゃが……」
「古い話ですね」
「もう、何年も前の話で……」
「何年どころじゃないでしょう」
「それで、その大蛇を退治した剣を洗ったのがこの滝だというのじゃ」
「へえ……それでこんな名前が付いたんですか。写真は暗いですね」
「谷間で陽は当たらないし……真っ暗だった。いい雰囲気だったぞ」
「大蛇がここに出そうな、不気味さですね」
「それはともかく……」
「何かありますか」
「あれは出雲の国じゃろう。島根県、日本海側じゃよ。ここまでどのくらいの距離があるか……そこまで血を拭かなかったのじゃろうか」
「あ、そういうことですか」
「もう乾いちゃうよね」
「そうですね」
「まあ、そういう訳で、滝の旅の追加でございます」

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