10月14日 MODEA 演奏会

「午前中で法事も終わり、どうしようかってブラブラしていた」
「例によって寄席通いでしょう」
「そうじゃ。夜に夢丸独演会があって、新江戸噺しの入選作が初演される。今回はこれに間に合うように戻ってきているのじゃ。上野広小路亭の昼席なら、5時前に終わって、ちょうどいい時間になるじゃろう……そう思っていると、メールでMODEAが公開ライブを行うという知らせが入った」
「私はMODEAって知りませんが」
「発音が違うな『モデア』ではなく『モーデア』じゃ」
「アルファベットで書かれているのに、どうして違うんです」
「まあいい」
「とにかく『MODEA』って知らないんですが」
「そうか……わしも知らん」
「あらら……」
「左の写真で、左端がピアノの小杉紗代さん。作品の多数がこの人の作品でもある」
「真ん中のヴァイオリンは」
石橋尚子さん」
「そして右が!」
「盛り上げ方が分かってきたな。そう、一丸聡子ちゃんじゃ」
「彼女だけ『ちゃん』付けですか」
「彼女とは、マリンバ2人グループの『MARS』からのお付き合いじゃ。昨年1月29日に同じ銀座で、それから3月27日に東京駅近くでのコンサート……30日に岡山に引っ越したので、東京での最後のコンサートになった」
MARS新田初実ちゃんとのペアでしたね」
「そうじゃ。残念ながら今日初実ちゃんはいないが、特に親しい人の出ない広小路亭と比べると、この演奏会に行かなければならないじゃろう」
「……随分くどい理由説明ですね」
「さあ、右が演奏中の聡子ちゃん」
「楽しそうですねえ」
「打楽器の魅力は躍動感じゃ。わしは30年前にかの有名な女性打楽器奏者を追っ掛けていたものじゃ」
「はいはい。で、曲はどうでした」
「……あれ……演奏していたよな……」
「まただ……」
「後でCDをいただい
て、サインをさせたが、そこに収録されている、元気な曲ばかりじゃよ」
「……適当なコメントでごまかしているな」
聡子ちゃんはちゃんとわしのことを覚えておいてくれた」
「そりゃあ、変なオジサンですから、一度で忘れられなくなりますよ」
「下の写真は3人おそろいで、サイン会が終わった後。右はその後の打ち上げで……」
「美人に囲まれて鼻の下が伸びていますよ」
聡子ちゃんの手をそっと握ったら、握り返して来たぞ」
「本当ですか」
「嘘ではないぞ……世間ではこれを握手と呼んでいる」
「何だい……しょうがないオッサンだね……」

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