8月10日 桂歌助 一笑会

「ええ、上野広小路亭昼席に参りましたが、引き続き夜席では桂歌助師匠の『一笑会』が開催されます」
「独演会ですね」
「まず立川吉幸君の『元犬』、犬の仕種が面白いネタ。人間になったという自覚と、犬だという自覚の混乱が面白いなあ」
「続いて春風亭笑好
「『雑俳』を演じた。亡き柳昇師匠のパターンだが、『他にどんな俳句を詠んだ』というところで思い出す間がある。テンポが悪いな。ここはひどい俳句をどんどんぶつけるところ。もっとポンポンと並べてほしい」
「そして、歌助師匠の2席」
「まず『牛ほめ』、与太郎が誉め言葉を思い出しては失敗するおかしみ、与太郎を馬鹿だ馬鹿だと言いながら愛情たっぷりの伯父さん、2人の会話だけなのに、心情の動きが大変な噺なんだなあ」
「そして、予告されていたのが『三方一両損』」
「喧嘩をする2人の江戸っ子、大家が2人、これらがみんな違う人物で……喧嘩をする2人が気の短いというだけで、同じ人物になってしまうことが多い。またせっかくの2人の大家、一緒に登場することがないから、同じような人物でも良さそうだが、歌助師匠はそれぞれを異なる人物としてしっかり作っている。まあ、そういうところを見ただけでも面白いのだ」
「いい噺だったということですね」
「ご挨拶にうかがい、色紙をいただいたので、いずれご紹介を」

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