1月25日 恩原

「今週は疲れているのか、今朝起きてもぐったりしておった」
「いつもだと思いますがねえ」
「出勤時間になって、寝不足もあって頭が痛いし……とうとう欠勤することにした」
「大変ですねえ」
「まあ、それで、天気もいいし……関東にいる時なら寄席に行く訳じゃが、岡山では寄席がない」
「当たり前です」
「それで、車で1時間ちょっとの所に、スキー場があるので出掛けることにした」
「やれやれ」
「この日記を毎日読んでいる暇人は……」
「何ですって」

「いや、毎日読んで下さっている知的な皆様は、もう御存知の地名でしょう……津山から北西の方向に、与謝野鉄幹・晶子夫妻が宿泊した奥津温泉、その先に昨年夏から何度か訪れている上斎原がある」
「いよいよローカルな話題になってきたね」

「その上斎原村に所属するのじゃが、中心地より更に奥に恩原という場所があるのじゃ。そのスキー場へ行ったということじゃ」
「写真左……これがスキー場ですか」

「そうじゃ。中央の引っ込んだ部分が中級者用、右のでっぱりは上級者用。他に初級の緩やかなスロープもある」
「平日なのですいていますね」
「そうじゃ。こいつら、仕事もしないで何をしておるのじゃ。少し話をしてやってもいいが、知っての通りわしは温厚で、争いごとは好まん。黙って引き下がった」
「他人に言える立場ですか」
「残念ながらスキーウェアを関東に置いてあるので、普通の洋服しかない。晴れて雪がどんどん溶けているので、転ぶ訳には行かない。だから中級しか滑ることが出来ないという、辛い立場じゃった」
「で、転びました」
「まあ、転ばずに済んだ」
「良かったですね」
「それが、困ったこともある」
「何です」
「雪焼けしてしまったのじゃ。帽子もゴーグルもないから、顔がすっかり焼けている。明日会社に行って、何と言い訳をしようか……心配で心配で……酒でも飲まなければ重圧につぶされそうじゃ」
「だから飲んでいるんですか」
「乾杯」
「で、明日、どう言い訳するんです」
「これを読んでいる人……そう、あんただよ……何か考えておくれ。病欠なのにどうして顔が焼けたのか……いいかい、明日の朝までに解答を書き込んでくれないと、わしはクビになるかも知れないんだよ」
「さて、大家さんの運命やいかに……明日クビになって、関東に帰ることになるかも……」
「最後の写真(すぐ右上)は、上から見た景色じゃ」

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