「懐かしがっていないで、高座はいかがでした」
「酒を飲む場面で大いに笑わせ、母親の話でしんみりとさせ、笑いに戻る……気分の転換に全く無理がない。自然に流れて行くのがすごい技量を証明している訳じゃ」
「それから休憩をはさんで江戸賀あい子さんの歌」
「自作を4、5曲、リメイクを2曲、自作に戻ってしめくくり……『可愛いサラリーマン』など、楽しい曲も作っている。コミックソングもあるそうなので、今度また紹介出来ればいいな」
「そして、右の写真は、みんなで食事」
「そういう訳じゃ。茄子の輪切りに挽肉を乗せた料理がうまかった」
「料理の品評はどうでもいいですよ」
「そうか……1時間ほどつきあって、もっと話をしたかったのじゃが、夜行バスの時刻があって失礼した。そのまま幸せな気分で岡山へ帰ったのじゃ」
「この夜も雷だったとか」
「そうじゃ。さすがは『嵐を呼ぶ男』じゃな。一昨年の阿佐ヶ谷でも雷があって、『累ヶ淵』で駕籠に乗せたはずの女がいない、幽霊だったのだ……と、息を呑んだ瞬間、落雷があった。流石!」
「ねらったんでしょうね」
「そうとしか思えない。その後千葉では例の新潟地震があったし、上野では消防車が表を走り回って……」
「地震雷火事……」
「埼玉では、会場の隣が消防署で、菊之丞師匠ではないが、出動と鎮火を体験した演者もいたそうじゃ」
「後は親父だけ……」
「それもあったそうで……酔っぱらった親父がビールを演者に1缶ずつ渡していた……後で『俺はもらえなかった』ってんで、なぜだろうって……後で売店のビールが売り切れだったという」
「時間がなくて残念でしたが、またゆっくりでかけられるといいですね」 |