7月16日 岩崎範夫&ピサレフ演奏会

「昨日の演奏会の内容じゃ」
「最初はフルート奏者岩崎範夫さんの演奏ですね」
「今回は公開練習という形で、服も普段着のまま、舞台の上には椅子などがあって、日常自宅でやっている練習をイメージした演奏じゃ」
「面白い演奏ですねえ」
「フルートの歴史を語りつつ、音を出すのに自分の知っているメロディをってんで『ロンドンデリーの歌』を軽く演奏、その後モイーズ、ベームといった、おなじみの作曲家のエチュードを並べた」
「エチュードって、練習曲ですね」
「そうじゃ。フルートをやった人なら一度は見ているじゃろうという作曲家の作品じゃよ」
「じゃあ易しい」
「いや、プロとしてのテクニックを身につけるための作品といえる。なかなか難しいのじゃ。それをノンヴィヴラート、ヴィヴラートつきで吹き分けたり、聞く方にも面白いものを並べた。最後にオネゲルの『めやぎの踊り』から山場だけを演奏して締めくくった」
「そして、いよいよピサレフさんの演奏」
「そう。こちらは本物の演奏会というスタイルじゃった」
「まずモーツァルトの『ファンタジー』K397」
「さすがモーツァルトじゃな。頭からの悲しい旋律をもっと展開して欲しいと思うのにあっさりとやってくれるのもいかにもモーツァルトじゃし、後半の軽いノリがいかにもモーツァルトという雰囲気になる」
「続いてシューマンの『アラベスク』、リストの『ペトラルカのソネット』」
「おなじみの曲だが、テクニックをひけらかさず、美しい曲だという雰囲気を伝えた」
「最後にショパンの『スケルツォ』ロ短調」
「これは高校生くらいでも演奏するが、力強く鳴らし、同じピアノがどうしてこんなに色々な音が鳴るのだろうという、実にドラマチックな演奏じゃった」
「ピアノなんて、鍵盤を叩けば、誰でも同じ音がするんでしょう」
「そうではないな。フルートやヴァイオリンと同じように、演奏する人が楽器の音を引き出すのだ。それがよく分かった」
「右がピサレフさんとの記念写真、下が昔いただいたサインでございます」

inserted by FC2 system