2月27日 民音音楽資料館 & 磯絵里子演奏会

「今日は忙しかったようですね」
「そう……例によって朝から仕事でな……昼から出掛けて、まず民音音楽資料館を見学」
「歴史的なピアノやオルゴールの演奏も聴いて、良かったですね」
「ドビュッシー、ラヴェル、グリーグ……などなど、大作曲家の自作自演のCDを買って来たぞ」
「それから銀座へ出て、フルート用のカラオケを購入」
「昭和の歌謡曲じゃ……最近年寄りの趣味になってきたのう」
「隠居は十分年寄りですがねえ」
「余計な事をいうな。そのまま磯絵里子の演奏会じゃ」
「CDの宣伝用の演奏会だそうですね」
「悪くはなかったな。しかし、CDはあまり面白くなかった」
「良くなかったんですか」
「いや、決して悪い演奏というのではない。素晴らしい演奏だと重うよ……しかし、一言でいうと、この人ならではという、インパクトが無いような気がする。そう言う訳で、今回は神谷未穂とのデュエットのCDにサインをもらってきたぞ」
「相変わらず趣味に走っていますね。お金持ちですねえ」
「いやいや、けちけちしていたのに1万円の予算をちょっとオーバーしてしまった」
「終末には菊之丞独演会がありますね」
「そうじゃ。これから今週いっぱいは昼飯を抜いて、独演会に行く費用を絞り出すことになるのじゃ」
「悲しい生活ですね」
「芸術とはそういうものじゃ。飢えて、ハングリーになった時に何かを生み出すのじゃ」
「下のはサインですね」

「その後、町をぶらぶらして帰ったそうじゃが、そこで大道芸を見たらしい」
「ああ、蟇の油(がまのあぶら)ですか」
「曲芸らしい。ご覧、写真があるじゃろう」
「何ですか、これは」
「ゴム手袋をかぶって、鼻息でふくらましておるのじゃ」
「面白い人ですね」
「これをパンクさせて、それから本芸に入るのじゃ。それが下の写真じゃよ」
「なるほど、筒の上に乗ってバランスを取っているんですね」
「東京都が認めただけに、人を引きつける話術も見事だったようじゃ」
「じゃあ、幸せな一日だったんですね」
「そうじゃな。その代わり、夜になってからため込んだ仕事を遅くまでこなして、寝不足のようじゃ」
「いつも寝ぼけているから、余り関係なかったようですね」
「もう1枚おまけの、筒の上に筒を乗せて、その上に乗っている写真じゃ」
「はい、ポーズ」

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