ストラヴィンスキー
「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」という三大バレエが有名なバレエ音楽の作曲家、もちろんストラヴィンスキーです。高校生の時、森正&東京都響の演奏で「火の鳥」を聞いて、すごいってんで買ったのが、初演をやったアンセルメの、死ぬ前最後の録音盤でした。
今日紹介するのはバレエ「プルチネルラ」。主人公が恋敵2人から命を狙われるが、うり二つの親友が身代わりになって裏をかき、無事恋人と結ばれるというもの。
実はペルゴレージ等の未完成譜面からメロディを拾って完成させた作品なのです。ガロ、ドン・ピエトロ、作曲者不明まで、いかにも古典的なメロディが、いかにもストラヴィンスキーの和音で展開します。このミス・マッチの面白さが何ともいえない。依頼したロシア・バレエ団の責任者は「モナリザにひげをつけろとは言わなかった」と言ったそうですが、見事にこの作品を言い表していますね。評判はまずまずだったようで、声楽をカットしたオーケストラ版を編曲していますし、ヴァイオリンやチェロのための「イタリア組曲」もこのバレエからのアレンジです。
初演は舞台装飾がピカソ、主演はニジンスキー。ニジンスキーは伝説的なバレリーナで、2m以上の高さまでジャンプし、そこで一端静止してから、羽根が落ちるようにふわーっと下りてきたといわれます。ピカソの描いたストラヴィンスキー、ストラヴィンスキーが描いたピカソの似顔も残っています。この組み合わせで行われた初演、見たかったねえ!