シティ・スリッカーズ

 冗談音楽の元祖といえば、シティ・スリッカーズ。学生時代に2枚のレコードが出たのに、私のアルバイトの収入では1枚がやっと……涙ながらにクラシック編を購入して、ポップス編は我慢したのです。
 雑音、外れた音、リズムの変化やメロディのつなぎ替えなど、パロディ音楽の全てが折り込まれています。学生時代は英語が苦手でしたのであまりちゃんと聞いていなかったのですが、今聞くと、本当に易しい言葉で、ギャグも理解出来ます。
 「ウィリアム・テル」では最後に競馬になりビートルバームが優勝、「ただ憧れを知る者のみが」では夫婦が浮気をして、その相手が全部親戚で、複雑怪奇な人間関係が現れます。すごいのは「熊ん蜂の飛行」、トランペットがすごい早さで完璧に演奏を始めるのですが、途中でクシャミが出て中断。後は客席の笑い声につられて滅茶苦茶になる。下らないギャグですが、笑い声につられて笑うしかない自分が情けない。
 日本ではフランキー堺が「ニュー・シティ・スリッカーズ」を編成して冗談音楽をやりました。「夢は夜ひらく」の録音を持っていますが、前奏の後違う曲になったり、リズムが変わったりというギャグ……もう少しいじれるかな……って感じですね。フランキー堺はコメディアンだったのでしょうが、ちょっと真面目すぎたのでしょう。

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