モーツァルト「音楽の冗談」

 モーツァルトは冗談音楽の大家ですね。歌劇はほとんど喜劇。そのまま「音楽の冗談」(k.522)という作品があります。
 第1楽章は旋律がない、リズムと和音だけという作品。しかも普通8小節のところを、7小節で一組。
 第2楽章はマエストーソ(重々しく)というメヌエット。ホルンが音を外し、トリオからメヌエットに戻れずにうろうろする。
 第3楽章は一見美しいアダージョですが、最初からファの音にシャープがついているため、不安感を感じさせる旋律になっています。意味のないカディンツァがたらたら続き、最後にG線、開放弦のピチカートが見事に間抜けに響いて曲は終わります。
 フィナーレはホルンのトリルが笑えます。最後は第1、第2のヴァイオリン、ビオラ、チェロ、ホルンが全て違う調で終わるのです。

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