ハイドンの冗談

 ハイドンの冗談音楽も色々あります。「驚愕」あるいは「びっくり」は有名。美しいアダージョで眠くなるので、途中でガンと一発目覚ましが入ります。「告別」あるいは「さよなら」は最終楽章になると演奏者が目の前の蝋燭(ろうそく)を吹き消して退場。指揮者もいなくなって、最後はヴァイオリン2人だけになる。曲が終わると、この2人も明かりを消して退場してしまう。
 本日のお勧めは弦楽四重奏曲、作品33の「ロシア四重奏曲」と呼ばれる作品集の第2番変ホ長調、これが「冗談」と呼ばれています。フィナーレは8分の6拍子、プレストで明るく楽しいメロディが流れ、ロンドが展開する。最後にこのロンド・テーマが戻ってくると、8小節で終わり、フェルマータでアダージョをはさむ。再びテーマが演奏され始めるが、2小節ごとに休符が入ってとぎれとぎれ、テーマが終わって拍手をしようかなと思うと、再びテーマが始まる。「あれ」と思ったら、その2小節で終わり。見事な肩すかしを味わうことが出来ます。

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