ブラームスの交響曲第4番

 ブラームス交響曲で私が繰り返し聞くのは第4番。第1楽章の寂しさに堪えきれずに泣く、心を揺さぶるような旋律から、いいですねえ……
  ♪ ミ/ドー・ラ/ファー・レ/ラー・#ソ/ミー……
 って、書いてもねえ……四拍子で「・」は休符で歌ってね。この休符が何とも言えない見事な哀愁を醸し出すのです。スゴイ!
 これ、「音楽解説全集」にも出ていませんが、メヌエットにしてみて下さい……
  ♪ ミドラ/ファー・/レラ#ソ/ミー……
 ほら、クリーガーメヌエットになるのです。これは意識的な転用なのでしょうか、偶然の一致なのでしょうか……
 第4楽章でも同じ謎が現れるので、おそらく分かっていたのでしょう。第4楽章は「シャコンヌ」で書かれています。これは一つのテーマを低音部が繰り返し、その上に変奏を乗せるものなのです。この主題がバッハカンタータ150番「主よ、我汝を求む」のシャコンヌと同じメロディラインなのです。バッハ・ベートーヴェン・ブラームスを「ドイツ3B」と呼んだビューローとの対談で、これを使って交響曲を作るという話をしています。更にバッハの「ロ短調ミサ」の「クルシフィクス」の「執拗バス」も影響していると言われています。
 主題となる同じメロディが31回(フィナーレを入れると32回)も繰り返され、その上に素晴らしい変奏が乗るのです。まあ、涙なしでは聴けない名曲です。

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