バルトーク

 さて、本日はバルトークの笑いの音楽です。これは30年も前、ステレオを買ったのが4チャンネルのシステムで、要するに部屋の四隅にスピーカーを置いて広がりを感じるというものでした。真ん中で聞くと、オーケストラが周囲を囲んで演奏するのです。それで、そういう録音になっているよという宣伝につられて買ったのが、ブーレーズの振るバルトーク管弦楽のための協奏曲」でした。正直言ってスゴイ迫力だったけれど不安でした。オーケストラの中で、私が邪魔になっている……2チャンネルに戻ったのも分かるような気がします。ただ一つ、フォーリーブスが歌った「世界は一つ」は面白かった。4人が各スピーカーに位置して、山場になると移動を始める、ぐるぐる周りを回って歌うのです。今日の話題と違うから、ま、いいか……
 さて、問題の「管弦楽のための協奏曲」第2楽章は「対の遊び」と題されています。単純なメロディを、ファゴット6度、オーボエ3度、クラ短7度、フルート完全5度、ペット長2度……という風に、どんなメロディであっても音程が決まっているのです。それでそれぞれが同じメロディを演奏するのがおかしい。再現部ではそれぞれが重なって新たな世界を作り上げます。
 第4楽章の「中断された間奏曲」では、途中で妙な旋律が入り、あざ笑うような応答をします。これはショスタコーヴィッチの交響曲第7番を馬鹿にしたものだと言われています。

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